idle078_ヘッドホンレビュー06 : Flat4 涛(なみ) TH-F4N|開放型ヘッドホンの音場を持つ反則イヤホン

レビュー最後は東和電子×音茶楽(おちゃらく)のカナル型イヤホンFlat4 涛(なみ) TH-F4Nです。

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記事の要約

特徴 : ソニーOBのベンチャー同士のコラボから生まれた

東和電子はデスクトップスピーカー界では有名な、コスパ最強と言われる卵形スピーカーTW-D7(未だにamazonランキング1位。わたしも使っています。)を出しているソニーOBが立ち上げたオーディオメーカーです。

そして音茶楽(おちゃらく)もソニーのヘッドホン・スピーカー技術者が立ち上げたイヤホンメーカー。

音茶楽(おちゃらく)は、2つのドライバの背面を対向して配置することにより、共振を抑え音質を改善する「ツイン・エコライズド・エレメント方式」(特許取得済)を採用したFlat4というイヤホンのシリーズ展開をしています。

そのシリーズの中のFlat4-玄(KURO)に東和電子の技術者がチューニングを加えたものがFlat4 涛(なみ)、東和電子側の商品名TH-F4N(以下、Flat4 涛(なみ))。

Flat4は何がすごいのか?

簡単に説明すると、Flat4はカメラで言うローパスフィルターレス機種の様なものです。

カメラ好きにしかピンと来ない例えで申し訳ありませんが、説明すると、普通のカナル型イヤホンは6kHzあたりで共振が発生するので、それを抑えるために「音響抵抗」というものをイヤホンの音の通り道に挟みます。

しかし、「音響抵抗」を挟めば、6kHzの共振は防げますが、10kHz以上の音域も大きく減衰してしまいます。

Flat4は、この6kHzの共振を「ツイン・エコライズド・エレメント方式」で防いでいるので「音響抵抗」が不要となり、クリアな音を実現出来るのです。

詳細は下記公式HPご参照。かなり専門的です。

テクノロジー | なぜ6kHzに強烈な音圧のピークを生じるのか? | ヘッドホン音質革命/音茶楽 Sound Customize

あと、こちらも是非ご一読。

「音茶楽 × Olasonic」、ソニーOB同士のつながりから生まれたイヤフォン (1/3)
ITmedia LifeStyle

外観及び装着感

▼独特な外観。二つのドライバを繋ぐための位相補正チューブが目立ちます。

20140902_Flat4 涛(なみ) TH-F4N

イヤーチップはコンプライT-200が付属されています。

コンプライT-200は低反発ウレタン素材のイヤーチップ。

指でチップを潰して耳の中に入れると、形状記憶みたいな感じで、外耳の形に合わせて復元されるので、完全な密閉が得られ、音が良くなると言われており、イヤホン界では有名なイヤーチップです。

しかし、正直な話、使っていくと耳の脂でウレタンがどんどん柔らかくなって、密閉感が減り、汚くなるので、1ヶ月ぐらいで交換しないといけない代物です。

そしてその価格が、5個セットで2500円。

この存在を知った時が一番、「イヤホンオタクって、ほんとクレイジーだな」と思いました。

良い音で聞くために、毎月500円を永続的に支払うんですよ?

もはや、常人には理解しがたい領域。

とか言いつつ、円安当時、海外のコンプライからまとめて買った方が安いという話を入手したわたしは、直接海外から買い付けましたけれど。

話が逸れましたが、T-200、確かに良いんですが、使う度にいちいちイヤーチップを潰すのが面倒だし、脂でベタベタしてくるので、今はソニーのハイブリッドイヤーピースを使っています。

プラグ部に書かれているように、Made in Japan。

コードは非常に細いので、取り回し抜群です。

解像度(音の明瞭さ・クリア感)

ヘッドホンの解像度をYoutubeの解像度に例えるレビュー方法でのFlat4 涛(なみ)の評価です。

ウォークマンNW-F887付属のイヤホンを144p相当とすると、

Flat4 涛(なみ)の解像度は720p相当です。

T70p並。

精細感では、同価格帯のバランスドアマーチュア型には勝てません。

しかし、「音響抵抗」が無いおかげで、ダイナミック型イヤホンと思えない程、音はクリアです。

更に、カナル型イヤホンに付きものの、こもり感も全くありません

さすが、特許技術。

音場の広さおよび特徴

▼頭と外界の境界までステージが広がります。

20140829_T70p_.jpg

この音場の広さ。衝撃的です。

これまで「ヘッドホンの方がいい」と言い続けてきたわたしが、ヘッドホンレビューの最後にこのイヤホンを紹介する理由がここにあります。

イヤホンで音楽を聴いてる気がしません。完全に開放型ヘッドホンの音場です。

音場が広いので聞き疲れしません。

音の定位および分解能

▼それぞれが完全に分離しています。

20140829_T70p_.jpg

分離感で言えばT70pよりは劣ります。

T70p>Flat4 涛(なみ)>HD25-1 Ⅱという感じ。

イヤホンとしては大健闘です。

音の傾向

高音寄りのフラット。

T70pに似ています。

「音響抵抗」が無いので、高音がキレイに聞こえます。

また低音のキレとレスポンスも鋭い

バスドラムもT70p相当の「ドッッ」。

「最大エネルギー積400 kJ/m3(50MGOe)の強力なネオジウムマグネットを採用、プレートとヨークへの電磁純鉄採用と合わせて強力な磁気回路を構成」と製品説明にあるので、テスラテクノロジーと似た傾向になっているのかも知れません。

総括 : 音の聞こえ方の研究の末に生まれた傑作

夏はヘッドホンを使うと耳が蒸れるので、T70p並のイヤホンは無いかと試聴を繰り返した末に出会ったのがFlat4 涛(なみ)。

Shureなどのバランスドアマーチュア型の高級機も試聴しましたが、ヘッドホンを常用していると、どうしても音場の狭さとこもり感が気になってしまい買う気になれませんでした。

そこでFlat4 涛(なみ)の音場を体験し、文字通り耳を疑いました。

ヘッドホン至上主義のわたしでもFlat4 涛(なみ)はおすすめできます。

もし、バランスドアマーチュア型の方が好みというのであれば、Final audio designのheaven VIもおすすめです。

音場が非常に広く、最後までFlat4 涛(なみ)とどちらを買おうか悩みました。

フィギュアスケートの羽生結弦選手も愛用してるそうです。(eイヤホン秋葉原店POPより)


■怠惰な人に役立つまとめ■
それでもヘッドホンの方がいいけどね




以上!アイドリングタイムのイド♂(@idomars)でした。


ありがとうございました!



~~編集後記~~

夏とT70pをどうしても持って行けない時は、Flat4 涛(なみ)を使っています。

さぁ、これから耳当てにもなるヘッドホンが大活躍の季節が来ます!

イヤホンからヘッドホンに換えましょー!

次回はヘッドホンスタンドについて。

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