idle076_ヘッドホンレビュー04 : T1|オールジャンルこなせるイイとこ取りの半開放型ヘッドホン

レビュー第四弾はベイヤーダイナミクスのテスラテクノロジー搭載半開放型ヘッドホンT1です。

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記事の要約

特徴 : ベイヤーダイナミクスのフラッグシップ

ベイヤーダイナミクスが誇るテスラテクノロジーを初めて搭載したのがこのT1。

(テスラテクノロジーの説明はこちらのリンク先をご覧下さい)

ベイヤーダイナミクスを代表するヘッドホンであり、ゼンハイザー HD800、フォステクス TH900、AKG K812と並び評されるヘッドホン沼の終着点の1つ。

ゼンハイザー Sennheiser HD800 ダイナミック・オープン型ヘッドフォン 並行輸入品

FOSTEX プレミアム・リファレンス・ヘッドホン TH900

AKG Superior Reference Headphones K812 【国内正規品】

インピーダンスが600Ωあるので、T1を使うにはヘッドホンアンプが必要になります。

ヘッドホンの仕様の中にインピーダンスというものがあり、これが大きいと音を鳴らすために大きな出力が必要になります。

低インピーダンスのヘッドホンをつなくと、ヘッドホン自体の能率の割に大きな音が出せます。逆に高インピーダンスのヘッドホンをつないだ場合、同じボリュームでも小さな音量しか出ません。

ヘッドホンは出力インピーダンスとヘッドホンのインピーダンスのバランスが重要でその値が等しいとき、最も効率的にヘッドホンに電力を送ることができます。出力側に対して、あまりに低いインピーダンスのヘッドホンを使用すると、電流の供給が間に合わず、音に雑音や歪みがのったりする場合があります。
audio-technica|Headphone Navi|ヘッドホンを識る

アンプに関しては、前回ポータブルアンプに関して言及した通り、ヘッドホン本体と比べると音への影響力が少ないので「ある程度の品質以上であれば何でもいいんでないの?」と思っています。

参考までにわたしは、今は亡き東京サウンドの真空管ヘッドホンアンプValveX SEを3年前に48,800円で購入して使っています。

なので、このぐらいの価格のものを買えば満足にT1を鳴らせるのではないでしょうか。

外観及び装着感

▼「T1」という文字が打ち抜かれているアーム。

20140830_T1(4)

ケー ブルは両ハウジングから出る、いわゆる両出し。

高級感があるか?と言われれば、まぁまぁ。

サイズ調整は写真奥に見えるアーム部内側の凹みにヘッドバンド内の突起を合わせて調整するという簡素仕様ですし、T70pと同じでアームが薄いアルミなので踏んだら曲がります。(手前側のアームの上の方が歪んでいることがおわかりいただけただろうか。。。)

でも、ハウジング部とヘッドバンド頭頂部ににベイヤーダイナミクスロゴが入っているなど、T70pよりはプレミア感があります。

▼ハウジング部がメッシュとなっているのが半開放型の由来。

20140830_T1 (3)

半開放と言っても、音漏れは開放並みです。

▼オーバーイヤー型。

20140830_T1

ヘッドパッドは革で、イヤーパッドはベロアとなっています。

イヤーパッドのベロアは起毛の背が高いので耳当たりが気持ちいい。

固定方法はT70pと同じでヘッドホン全体で挟む方式を取っており、固定力が高いので、ヘッドホンをしたままノリノリになって頭を振っても安心です。

「ドライバが耳に合わせて斜めに傾けて配置されているので、装着方法に気をつけないといけない」という書き込みを見ますが、普通に耳が真ん中に来るように着ければ何の問題もありません。

解像度(音の明瞭さ・クリア感)

ヘッドホンの解像度をYoutubeの解像度に例えるレビュー方法でのT1の評価です。

ウォークマンNW-F887付属のイヤホンを144pとすると、

T1の解像度は1080pです。

フルハイビジョン。文句なしの最高ランク。

拾えない音はありません。

これまでのレビューで表現手法が尽きたので、これと言ったことは書けませんが、空気感や楽器の表情が更に良く表現されます。

ただ、このクラスになるとわたしの駄耳でも低圧縮音源の粗さがわかってしまいます。

その結果、持ち曲をすべてFLACでパソコンに取り込み直すハメになりました。

音場の広さおよび特徴

▼頭の外までステージが広がります。

20140830_T1 _音場

ついに頭の外に出ました。

音量を上げて音楽を聴くと四方八方から音に包まれている感覚。

音の空間的配置まで考えられている電子音楽なんかを聴くと脳内麻薬が出ます

これぞヘッドホンの妙

イヤホンでは味わえない感覚です。

音の定位および分解能

▼音場が広いので音の分離も完ぺきです。

20140830_T1 _音場

T70pと違うのは、それぞれの楽器の位置だけではなく、更なる詳細がわかる点です。

ドラムを例に挙げれば、スネアやハイハット、それぞれのドラム位置関係がわかるぐらいの分離感があるという点です。

ボーカルはT70pに比べてもう半歩近く聞こえます。

音の傾向

高音寄りのフラット。

高音はT70p以上にキラキラです。

わたしの環境では「サ行」が刺さりがちですが、それを補って有り余る高音の華やかさです。

低音は同じテスラテクノロジー搭載のT70pと同じ傾向にあり、音の締まり、立ち上がりが、キレ、全てが素晴らしいです。

さらにT70pよりも若干ですが低音の量が増え、音圧が感じられますので、バスドラムは「ドッッツ」という感じです。

この音にもまた脳汁が出る

音圧が適度にあり、高音・低音共にレスポンスが良いので音楽を明るく鳴らしてくれます

T1はT70pの同傾向、全項目での上位互換機のようなものですが、T70pとT1を聞き比べて最初に気付くことは音の厚みが全然違うこと。

(一連のレビューは全て、アンプを通して評価しているので、この音の厚みはアンプあり・なしの差ではありません。)

上記のようにT1は適度な音の厚み・音圧を備えていますが、それと同時に、テスラテクノロジーのクリア感に、開放型のヌケの良さが加わった超クリアで地平線まで見通せるような音も楽しめます。

T70pでも十分クリアですが、そこから更に薄いベールを2枚ほど取った感じ。

向いている曲はオールジャンル。

このレベルまで来れば、向いていない曲を探す方が難しいです。

総括: これ1台あれば良い優等生

T1は開放型の特性である音場の広さ・ヌケの良さと密閉型の特性である音圧の高さ・音の厚みの良いとこ取りをし、更にテスラテクノロジーのレスポンス・キレ・見通しの良さを加えた、究極のヘッドホンです。

これ一台あれば、クラシック・ジャズからテクノ・J-popまですべての音楽を高音質で聞けるヘッドホン沼の終着としてふさわしい一品。

このヘッドホンで音楽を聴けるなら、明日も生きてみようかな。」と思えるほどの魅力があります。




■怠惰な人に役立つまとめ■
オールマイティーを手に入れるにはある程度の対価が必要




以上!アイドリングタイムのイド♂(@idomars)でした。


ありがとうございました!


<2014/12/23追記>
1万円キャッシュバックきたー!
2015/2/15までだそうです。

期間中に「T1」を購入した人全員に1万円分のQUOカードをプレゼントするというもの(国内正規品に限る)。
ティアック、独beyerdynamicの「T1」購入者にもれなく1万円分のQUOカードをプレゼントするキャンペーン – ITmedia LifeStyle

<2014/12/23追記終了>



~~編集後記~~

ネットも音楽もなければ生きていけないから、バッテリー切れが怖くてスマホで音楽を聴けない。

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