冒頭の写真の通り、結構ボロボロです。
RX100M4、M5をスルーして来ましたが、ついにRX100M6に乗り換える時が来たのかも知れない。。
今日は、そう思った理由を挙げてみます。
記事の要約
RX100M3からRX100M6に乗り換えたい12の理由
写真でも動画でもAF性能が超重要
RX100M3の唯一の不満点は、AFが遅いこと。
静物を撮る時は気にならないのですが、自分の子どもを撮り始めてからRX100M3のAFの遅さが気になり始め、その後動画に手を出し始めてから、「こんな遅いんじゃ使い物にならんわ!」という気持ちになってしまいました。
画角、露出、ホワイトバランス等、写真や動画を構成する要素は色々ありますが、ピンボケしてたら意味がないんです。ピントを合わせている間にシャッターチャンスを逃したら意味がないんです。
画角はトリミング、露出やホワイトバランスは現像で調整できますが、ピントと構図(=シャッターチャンス)は、後から調整できません。
子どもを撮り始めてから、特にそう思います。
でもそんなRX100M3の不満を、RX100M6は以下の特徴で完全に解消してくれそうです。
315点像面位相差検出&世界最速0.03秒AF
RX100M5で強化されたAF性能がRX100M6でさらに強化されます。
315点の像面位相差検出AFセンサーは撮像エリア約65%をカバーするので、被写体を逃すことがありません。
さらにRX100M5でAF合焦まで0.05秒かかっていたのが、0.03秒になり、約二倍速くなっています。世界最速のAFです。
瞳AFの食いつきがヤバいはず
わたしがRX100M6に一番期待しているのは、瞳AFです。
こちらの動画はα7IIIの瞳AFをテストしたものです。
この瞳AFの食いつきはすごい。
動き回る子どもを撮るときにこの瞳AFが使えれば、すごく便利なはず。
もちろんα7IIIとRX100M6では使っているセンサーが違うので、瞳AFがα7IIIと同等の性能かはわかりませんが、プレスリリースには瞳AFの追従性能はRX100M5の約2倍とあるので、期待に胸が膨らみます。
検出した瞳に自動的にピントを合わせる瞳AF機能は、画像処理エンジンBIONZ Xの進化により検出精度・速度が向上し、追従性能が従来機比約2倍に。動きのあるポートレート撮影で、正面からうつ向き顔になった場合や、振り向いた瞬間、逆光で顔が暗いシーンなど、ピント合わせが難しい状況でも、瞬時に瞳を検出しピントを合わせて追従します。
広角から望遠までの新開発24-200mmズームレンズ、世界最速0.03秒の高速AF搭載『RX100 VI』発売 | プレスリリース | ソニー
中望遠の画角が好き
わたしはフジフィルムのミラーレス、X-T10もたまに使っており、X-T10を使うときはフジノン56mm(換算85mm)を好んで使っています。
自分の意識が向いた被写体だけを切り取れる85mmあたりの画角が好きなんです。
だからRX100M3の望遠端70mmには、ちょっと物足りなさを感じていました。
RX100M6で85mm付近の中望遠を手軽に持ち運び、気軽に使えるようになるのが非常に楽しみです。
200mmまでの望遠は旅に最適
RX100M6に対して、F値が暗くなるなら200mmまでの望遠は要らないという声もあり、それはそれで理解できますが、わたしは200mmまで望遠端が長くなったことを歓迎します。
なぜなら旅行のとき、望遠レンズがあると便利だからです。
旅行中って、ちょっと遠くのものを撮りたくなる時があるんですよね。
たとえばこれはマルタ島からゴゾ島にフェリーで向かう途中で発見した建物をRX100M3の70mmで撮った写真ですが、本当はもっと寄って撮りたかった。
恐らく砦か城的な何かだと思いますが、これだけ遠いとよくわかりません。
200mmあればこの3倍寄って撮れるわけです。素晴らしい。
RX100M6が発表されるまで、旅行用の望遠としてフジノン 50-140mm(換算75mm-210mm)を買う予定でした。手持ちのX-T10に付けたら約1.5kgです。
その装備が0.3gで済む。レンズの暗さがあるとしても、旅行で望遠が必要なシチュエーションは基本光量十分な屋外日中でしょうし、画質の違いをさっ引いても、最高としか言えません。特に椎間板ヘルニア持ちで、荷物をできるだけ軽くしたいわたしとしては。
手ぶれ補正の強化
RX100はこれまでも光学式手ブレ補正を載せていましたが、特にアピールはしていませんでした。
RX100M6ではプレスリリースの見出しで、最大4.0段の光学式手ブレ補正をアピールし、本文でも下記の通り手ブレ補正を全面に押し出しています。
加えて、200mmの望遠域において4.0段分の補正効果をもつ高性能の光学式手ブレ補正機能や進化した画像処理アルゴリズムにより、望遠や暗所でも手ブレを抑えて高画質に撮影できます。
広角から望遠までの新開発24-200mmズームレンズ、世界最速0.03秒の高速AF搭載『RX100 VI』発売 | プレスリリース | ソニー
元の手ブレ補正がどの程度の効果を持っていたのかわかりませんが、このアピールっぷりから手ブレ補正の大きな改善が見込めます。
動画の4KHDR対応
4K撮影はRX100M4の時点で対応していましたが、ついにRX100M6で4KHDRに対応しました。
ポストプロダクションの時間を短縮してHDR映像制作が可能なインスタントHDRワークフローを実現するHLG(Hybrid Log-Gamma)方式による4K HDR撮影にもサイバーショットとして初めて対応。見たままのイメージに近い、リアリティーのある広いダイナミックレンジの映像を記録できます。
広角から望遠までの新開発24-200mmズームレンズ、世界最速0.03秒の高速AF搭載『RX100 VI』発売 | プレスリリース | ソニー
「先のことを考えるなら、4Kに加えてHDRで動画を撮っておかないとダメだ」
と考え、カメラの買い換えを控えていたわたしとしては、嬉しい限りです。
去年からパナソニックのGH5やソニーのα7RIII、α7IIIにHLG(ハイブリッドログガンマ)方式での4KHDR撮影が搭載され始めましたが、早くもRX100に降りてきた形ですね。
これで、センサーの能力を最大限に引き出した映像が撮れます。
4K撮影時の画角が26mmに
RX100M5では4K撮影時の最大画角が28mmだったのが、RX100M6では26mmになっています。
35mm換算値(動画 4K 16:9時) f=26-230mm(手振れ補正スタンダード)
DSC-RX100M6 主な仕様 | デジタルスチルカメラ Cyber-shot サイバーショット | ソニー
FHDだとRX100M5では25.5mmだったのが、RX100M6では24mm。レンズの画角をフルに使えるようになっています。
センサーをより広く使えるようになり、パナソニックLX100と並ぶ、コンデジの中で最も広角に4Kを撮れる機種の一つになりました。
字面で見ると地味な話ですが、個人的には大きな改善です。
4K12倍ズーム
望遠端が200mmになったおかげで、4K撮影時でも全画素超解像ズームを使えば12倍までズームできます。
これは校庭が狭い幼稚園の運動会であれば十分カバーできるズーム倍率です。
つまり、ビデオカメラを別に買う必要がないということ。(子どもが生まれた時にパナソニックのビデオカメラを買ったけど、全然使っていないことは秘密。だってコンデジやスマホで撮った動画の方がキレイなんだもの。)
自分の子どもは2歳なので、幼稚園を卒業するまでの4年間はRX100M6で戦えます。
ズーム時の手ブレに関してはジンバルという外部手ブレ補正装置を持っているので、問題ありません。手ブレが無くなるので、カメラで動画を撮るならジンバルはホントにオススメです。
▼ジンバルの効果例として、ゴゾ島の有名な教会(名前は忘れた)をサッと見学した際のRZ100M3+ジンバル動画を載せます。歩行ブレは全く抑えられていませんが、手ブレがないのは確認できます。
▼私が使っているRX100向けオススメのジンバルはPILOTFLY C45です。最大荷重量500gですが、その分コンパクト&軽いので長くジンバルを持っていても疲れません。
タッチフォーカス対応
RX100M3で動画撮影中に、ピントが思うようにオートで合わない時、ピントを合わせ直すにはシャッターボタンを半押しするしか方法がありませんでした。
RX100M6では液晶画面をタッチすることで、簡単にピントを合わせることができます。
まぁ、AF性能がとてつもなく進化しているので、タッチフォーカスでの調整作業も必要ないのではと思っていますが。
EVFがワンタッチポップアップに
RX100M3ではほとんど使っていなかったEVFですが、RX100M3の144万画素から235万画素に高精細になり、かつワンタッチでポップアップするようになったので、もっと頻繁に使うようになるかも知れません。
実用上、どれだけ便利になっているか期待です。
電池保ちUP
これは調べていて驚いたのですが、RX100M3では液晶モニタ使用時約320枚撮影できるのですが、RX100M5だと約220枚しか撮影できないんですね。
RX100M3から進化したセンサーとBIONZ Xが電池を食っているのでしょうが、悪い意味で驚きの電池保ちです。
それがRX100M6になって、約240枚撮れるようになり、少しだけ改善しています。加えてRX100M6で新たに追加されたモニター自動オフ(2秒消灯)という省エネモードを使うと、約310枚とRX100M3並の電池保ちを実現できます。
ただ2秒で画面が消灯すると使っているうちにストレスが溜まるかも知れないので、あまり期待はしないでおきます。
動作速度UP
RX100M3では約1.6秒だった起動時間が約1.4秒に短縮されています。ちなみにRX100M5の起動時間は約1.7秒です。
さらに撮影タイムラグが0.16秒から0.07秒に。(RX100M5は0.15秒)
撮影間隔が0.6秒から0.36秒に短縮されています。(RX100M5は0.45秒)
起動時間はズーム倍率が上がったのによく縮まったなと思いますし、撮影タイムラグ、撮影間隔はほぼ倍速になっています。
RX100M3よりもキビキビ動作するってことですね。
RX100M3からRX100M6に乗り換えたくない7つの理由と個人的反論
今度は反対にRX100M6に乗り換えたくない理由を考え、自分で反論してみました。
F値が暗い
望遠端が200mmになった代わりに、F値がF2.8-F4.5になりました。
RX100M3はF1.8-F2.8です。
F値が暗いと色々困ることがありますが、まず十分な光が取り込めないので、AFが効きにくくなります。
しかし、前述の通りRX100M3に比べてRX100M6はAFが格段に進化しているので、暗所でのAFもRX100M3より利くでしょう。なので、この点は問題ないと考えます。
次に、F値が暗いとボケが少なくなりますが、写真の良し悪しはボケ量では決まるものでは決してないですし、子どもが生まれてから「記録」のために写真を撮ることが多くなってきたので、ボケ量は必要ありません。なので、この点も個人的には問題ありません。
最後に、F値が暗いと暗所でのシャッタースピードが落ちて写真がブレることになります。
手ブレに関しては新開発の4段分の手ブレ補正に期待しますが、被写体ブレは仕方ありません。
ISO感度を上げてシャッタースピードを稼げば解決しますが、その分写真にノイズが乗ってしまいます。かと言って、露出アンダー気味に撮って、後から明るくするというような面倒くさいことはしないので、もうお手上げです。
ということでこの点は問題ですが、RX100M6で問題を解決できないなら他のカメラに任せてしまえばいいだけです。
既に持っているRX100M3を使うも良し。開発が進められているというLX100の後継機を買うも良し。目を見張る進化を遂げているスマホのカメラに任せるも良し。
Galaxy S9なんてF値1.5ですからね。その上、CPUはコンデジよりスマホの方が良いものを積んでいるので画像処理をかけたら暗所はスマホの方がきれいに撮れるかも知れません。
ということでRX100M6一台ですべて済ませる必要はないので、RX100M6+他のデジカメ or RX100M6+スマホでこの問題は解決です。
ちなみにF値が暗いと言いますが、101mm-200mm間をF4.5の明るさで撮れる1インチセンサーのコンデジは他には存在しません。RX100M6が一番明るいのです。
これは下記リンク先にあるズーム時のF値比較表をご覧頂ければわかります。
Sony Cyber-shot RX100 VI: What you need to know
The Sony Cyber-shot RX100 VI offers a 24-200mm equivalent zoom lens, 4EV image stabilization system and full-width oversampled 4K video capture. Here’s what you need to know.
広角端最短撮影距離が5cmから8cmに
広角端最短撮影距離が5cmから8cmになりました。
なので接写したいときは、RX100M3かスマホを使います。
LX100は3cmまで寄れるので、LX200がそのスペックをキープするならLX200を買ってみるのもいいですね。
内蔵NDフィルターがない
RX100M5まで搭載されていた内臓NDフィルターがなくなりました。レンズが大型化したせいでしょうか。
RX100M3ではいつも内蔵NDフィルターはオートで使っていたので、特に意識したことはないのですが、NDフィルターに助けられていたこともあったんだろうと思います。
ただ本格的にスローシャッターを切るなら内蔵NDフィルターでは効果が足りませんし、明るい場所で絞り開放で写真を撮る場合はRX100M4から搭載された最速1/32000秒の電子シャッターを使えばいいので、なくても困らないかなと思っています。
開放F値も2.8と、暗くなっていますし。
Eye-Fi非対応
RX100M6ではRX100M5まで対応していたEye-Fiに対応していません。
私はFlashAirを使っているので、Eye-Fi対応は残しておいて欲しかったですが、なくなってしまったものは仕方ありません。
本体内蔵のWiFiでのデータ転送機能に期待します。
背面液晶の解像度が122万から92万に
RGBにWを足して照度をアップしたホワイトマジック液晶をやめたようです。結果、解像度が3/4になったのでしょう。
RGBは削っていないので、表示される画像が荒くなっているわけではありません。
液晶が暗くなっている恐れはありますが、最新のαシリーズでもホワイトマジック液晶の採用を止めているので、Wを追加しなくても十分な明るさを確保できるほど液晶の性能が上がったのではないかと勝手に予想します。
こればかりは実際にRX100M3と比較してみないとわかりませんね。
PlayMemories Camera Apps非対応
RX100M5まで対応していたPlayMemories Camera AppsがRX100M6では非対応になっています。
ちょうどRX100M3の発売と同時に始まったPlayMemories Camera Appsですが、最初の頃は面白がって使っていたものの、今ではまったく使わなくなったので問題ありません。
高い
RX100M4への買い替えを検討した時に自分も書きましたが、RX100M3はモデルチェンジするに連れて高くなってきています。
RX100M6も10万を余裕で超える値段で発売されますが、今回、わたしはこの値付けでもそんなに高いとは思いません。
なぜならαの最新機種譲りで、RX10M4と同等のAF性能を持ったコンデジは他に存在しないからです。
4KHDRを撮影できるコンデジも他にないし、1インチセンサーで200mmをF4.5で撮れるコンデジも他にないからです。
唯一無二の特徴を何個も持ったコンデジなわけですから、高くなるのも当然です。
高いと思うなら安くなるまで待てば良いだけです。同じく売り出し価格が10万円をゆうに超えていたRX100M5も2年経った今では8万円ちょっとで買えますからね。
これは無印から最新機種まで併売を続けているRX100ならではの利点です。最新の機能が不要ならば型落ちを安く買えばいい。
ただこの感想は、わたしが動画を始めたから持てるのであって、もし今も写真しかやっていないのであれば普通に高いと思います。
この小ささで4KHDRが撮れ、高性能なAFが動画で大活躍するであろうという点だけで5~6万の価値があると思ってますから、もし動画をやっていなければ9万円台以下でなければ買わないでしょう。
動画の最新機能も全部乗せではなく、最新のハードだが動画機能を省略して価格を抑えたスチル向けの派生機種があってもいいとは思います。
まとめ
RX100M6は、
動き回る子どもを撮る×コンデジ+ジンバルで動画を撮る×中望遠が好き&旅行で望遠が欲しい時がある=わたし
にとってはジャストミートな機種です。
もうほとんどニッチなんじゃないかという組み合わせですが、前述の通り、RX100は型落ちも併売しています。
HDRまでは要らないけど4K撮影は欲しく、動き回る子どもを撮るけど、望遠は要らない場合は、RX100M5がオススメです。AF合焦速度0.05秒でも必要十分です。
撮るのは静物だけの場合はRX100M3がオススメです。厳しい条件下での動画撮影難しいですが、旅行で風景を撮る程度であれば、上で紹介したようなメリハリのある動画も撮れます。
多少カメラのサイズが大きくても問題ない場合は、CANONのGX7 Mark IIもオススメです。中望遠もカバーしている24mm-100mm F1.8-F2.8というRX100M3より長く明るいレンズが搭載されています。
この突出したレンズスペックのおかげか、本日時点の価格.comランキングで1位です。
AFがRX100M3よりも弱いと言う口コミを見ますが、静物しか撮らないのであれば大した問題ではありません。もしRX100M3の発売前にこちらが発売されていたら、わたしもこちらを買っていたかも知れません。
おまけ:今後のスマホとコンデジの関係性について思うこと
最近のスマホカメラの進化は本当に著しいです。
HuaweiのP20 ProやSonyのXperia XZ2 Premiumのセンサーサイズは一昔前の高級コンデジで採用されていた1/1.7インチですし、この秋発表予定のGoogleのPixel 3には1インチセンサーが搭載されるという噂もあります。
画像処理に関してもPixel 2のHDRはデジカメよりも自然だと思いますし(下記リンク先参照)、最近ではAIを画像処理に活用するメーカーも出てきました。
Google Pixel 2 reviewed: Sets new record for overall smartphone camera quality
The Google Pixel 2 is the top-performing mobile device camera we’ve tested, with a record-setting overall score of 98. Impressively, it manages this despite having “only” a single-camera design for its main camera. Its top scores in most of our traditional photo and video categories put it ahead of our previous (tied) leaders, the Apple …
Galaxy S7をレビューした時にも書きましたが、旅の記録程度の写真であれば、もう広角側はスマホに任せていい時代が来ていると個人的には思います。
スマホではレンズを大きくできないという制限がありますが、カメラよりスマホの画像処理技術の方が優れているので、まぁパッと見の綺麗さはトントンではないかと。
そうなるとコンデジが生き残る術は望遠の強化しかないわけです。
前述の通り、スマホには大きいレンズを載せられないので、スマホに望遠は望めません。最近スマホでは光学ズームが流行りですが、あれは焦点距離が2倍のレンズとセンサーを別に積んで、切り替えているだけです。たとえば1.5倍ズーム時はデジタルズームであり、光学ズームではありません。
加えて、焦点距離が長い方のカメラセンサーはメインカメラよりも小さいのです。たとえば、上の例に挙げたP20 Proの望遠側80mmのセンサーサイズは1/4.4ですし、iPhone Xの望遠側52mmのセンサーサイズは1/3.6です。
なぜかというと、レンズとセンサーの距離を変えずに無理なく焦点距離を伸ばすにはセンサーサイズを小さくするのが最も簡単で現実的な方法だからです。クロップと同じ原理です。
スマホの薄さをキープしたまま焦点距離を伸ばすには、センサーサイズを小さくするしかありません。すると望遠側の画質はどうしても大きなセンサーを使っている広角側よりも劣ります。このスマホの「薄さ」という問題から、望遠側の画質の向上は広角側よりも難しいのです。
広角側の画質でスマホに差を縮められているコンデジは、スマホが苦手とする望遠側に活路を見出すしかありません。ですので、ソニーがRX100M6で望遠を強化した判断は間違っていないとわたしは考えます。
そしてわれわれ消費者側も、「広角はスマホ。望遠はコンデジ。」と使い分けるのが、今の時代に合っているのではないかと思うのです。