32度目の誕生日、気付きの断片を羅列してみる(主にタスク管理


ドイツからグーテンターク。

11月30日が誕生日だと言うのに、ウダウダしているうちに急に日本出張になってしまい、いまこの記事を帰りの飛行機の上で書いています。記事のアップはドイツですね。

32歳。今年は色々ありました。というか海外に来て3年。毎年色々ある。

昔はこんな記事書いたけど、やっぱり住む場所を変えたら、人間変わるのかも知れないですね。

今年はまったくブログを書きませんでしたが、誕生日ということで、気付きの断片を32歳の記念にいくつか残します。

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記事の要約

タスク管理は二度死ぬ

下記記事でも触れていますが、わたしの仕事でのタスク管理は2017年に一回死にました。

そして今年、二回目の死を迎えました。

殺したと言った方が正確かもしれません。

スクラップ&ビルド。

再生のための破壊です。

幸か不幸か、諦め切れなかった

今年の始め、去年一度死んだタスク管理をタスク管理4.0で復活させ、普通に仕事をしていたわたしは上司にこう言われました。

「その程度の仕事しかできないなら、もう君は要らないわ」

普通なら「頑張らせて下さい!」と返すところですが、わたしはその時点ですでに脳に異変が出るまで頑張ってます。

「これ以上どうすることもできない。ここが自分の限界か。ここは自分に合う場所ではないかも知れないから、場所を変えたら評価も変わるかな。」と思い、「そうですか」とその場では返しました。

でもその後、考えを改めました。認めたくなかったからです。自分の限界、ではなく、タスク管理の限界を。

上司に評価されていない状況は、タスク管理的に考えれば、1.タスクを十分に実行できていないか(量)、2.実行しているタスクが評価されるタスクではない(質)、のどちらかか、両方です。

この2点の改善にチャレンジしてからでないと、タスク管理の限界を認める気にはなれませんでした。

陽的思考の衝撃

今年はこの2点の改善のために、色んなことをしました。

その中でもターニングポイントになったのは、0秒思考の赤羽さんとの個人コンサルです。

最初はタスク管理の本を出したり、セミナーをしたいという話をしたところ、

赤羽さん :「それで仕事ではどれほどの実績を出されていますか?」

ドキーッ!痛いところを突かれました。その後、仕事の話をしたところ、

赤羽さん :「話を聞いている限り、あと3倍は速く仕事できますね」

Wow‼

ログから積み上げてコツコツ仕事の改善をして来たわたしのような人間からは出てこない言葉です。「そんなことできっこない」と思うからです。

後で説明する陽的思考との出会いです。これまでも本で陽的思考に触れることはあったのでファーストコンタクトではありませんが、実際にそう考えている人間がいるという衝撃は計り知れませんでした。

他にも赤羽さんの陽的思考を象徴するこんなエピソードがありました。

赤羽さんのウェブセミナーでのQ&Aタイムでの出来事です。

参加者 :「0秒思考はどのぐらいやればいいのでしょうか?自分、無理すると疲れちゃうんですけど。」

赤羽さん :「疲れて下さい。慣れてないだけです。慣れたら疲れません。」

一刀両断。

これですよ。惚れ惚れしちゃいます。

この参加者は昔の自分そっくりです。守りに入った陰的思考です。

このQ&Aはここで終わりましたが、このまま陰と陽が話を続けたらこんな感じになるでしょう。

陰 : 無理を続けてたらしわ寄せが来て、どこかで破綻します。

陽 : しわ寄せが来てから言いましょう。やってもないのにチャレンジすることを拒むのはやめましょう。

陰 : 実際、以前同じ事をやって、しわ寄せが来た実績があります。

陽 : それはいつの話ですか?今はどうですか?「以前できなかったからできない」。思考停止の前例主義者の言葉です。それができるように知恵を絞って下さい。

どちらも言っていることは正しいです。

ただ今回はわたしが陰から陽に移るエピソードなので、あえて陽側の肩を持つと、過去の記録はあくまで参考データです。その記録が繰り返されると信じ込み、未来の可能性を自ら狭めるのは賢いとは言えない。確かに「何も考えなくていい」から認知資源は節約できますが。

本人は「実績から結果を導いているから賢い」と思っているが、その実、頭を使ってないのです。なかなか皮肉が効いてます。(「実績から結果を導く」という方法論自体は非常に素晴らしい発明です。しかし、それを実行するときは頭を使わない。なぜなら仕組みにすべてを任せているから。)

実際、赤羽さんのタスク管理方法は一日の大まかなスケジュールを決めて終わりだそうです。何かあったら毎回ゼロベースで考えて即決します。それができるほどタフであるとも言えるし、それに慣れているとも言えます。

「仕事がやりきれなかったらどうするんですか?」と聞いたら、「そうならないように常にメールはチェックし続けるし、どこでも仕事する。やることを取捨選択するのは、仕事の速度を3倍にした後にすることであり、今の段階ですることではない。」とキッパリと仰っていました。

攻めるためだけに生きる戦闘民族のような方です。実際、赤羽さんにメールすると驚くほど速く返信がきます。

一方、「仲間がいないと頑張り続けることはできない」とも仰っています。つまり赤羽さん自身は生まれつき強いわけではなく、強くあり続けるためにuncomfortableな環境に意図的に身を置いて、精進し続けている方です。

タスク管理の陰と陽

赤羽さんとの出会いをきっかけに、タスク管理4.0は陰と陽の切り口を得ました。

要素としては、タスク発生管理・状態管理・実行管理・実行資源管理の4つのままですが、それぞれに陰と陽の属性が付きます。参考までに陰と陽を象徴するイメージワードをブレストしたメモをを置いておきます。読めなかったら諦めてください。

▼タスク管理4.0_陰陽属性イメージワード

わたしはタスク管理と出会ってからずっと陰的なタスク管理状態・実行・実行資源管理を行ってきました。過去からの積み上げ式のこちらの方が現実的で抵抗なく導入できるからです。(なので、タスク管理初心者は陰側から取り組み始める方が良いです。)

ここからはわたしの推測ですが、前述の上司は陽的思考であり、陰的に考えすぎるわたしに辟易してたのだと思います。

陰的思考は、

  1. 私生活
  2. 仕事の責任をそれほど負わなくてよい立場
  3. もしくはその真逆で仕事の責任をすべて負う代わりにすべての裁量を持っている立場

で有効です。

別の表現をすれば、目標の変更権があるか、もしくは拒否権があるか、です。

だれしも私生活では目標変更・拒否権、共にありますし、社長やフリーランス(3の立場の人)もリスクを負う代わりに両方の権利を持っています。

会社内の労使関係で言う労働者側は目標の変更権はありませんが、拒否権は持っています。

「仕事量自体が多すぎるから、新たな目標を受け入れて、これ以上仕事量は増やせない。それだと困る?それは使用者側の問題なので、労働者の私に押しつけないで下さい。」と。

わたしも労働者だったので、「断る力キリッ」とか言って、この陰的思考でずーっと仕事をしていました。

一方陽的思考は、仕事の責任は負いつつも目標変更あるいは拒否権を持っていない立場、つまり中間管理職に有効です。

ここでの中間管理職とは組織内の社長以外のすべての管理職を指します。組織内で決まった目標を達成することが中間管理職の存在意義です。自分で目標を立案できますが、一度実行段階に入ったらよほどのことがなければ、目標を変更することはできません。もちろん拒否も不可です。

「計画通り行かなかったので、できませんでした。」、「○○に発注したのですが、○○が納期遅れを起こしたので、ダメでした。」という言い訳も通用しません。責任者として、成果を出すことがすべてです。

社長やフリーランスでも、一度仕事を受けた後はこの陽的思考が必要でしょう。成果を出さなければ、受注は続かないからです。

中間管理職である上司はわたしに、ローカルスタッフをまとめる駐在員として陽的思考を期待したが、陰的思考のままだったので、憤慨したのでしょう。

私見ですが、陰的思考だと諦めグセが付く気がします。

過去に自分が書いた下記の記事が最たる例ですが、失敗しても「仕組みのせいだ」とか「PDCAが回るから良い」とか言って、「仕方ないね」で終わらせようとします。記事にある通り、この方法だと自己肯定感は損なわれませんが、粘り強さが微塵もない。

しかし中間管理職はそれで済みません。成果が出なければ無能の烙印を押されます。求められた成果を出すことが、責任者に求められている要件です。

諦めずに成果をひねり出す。

これが陽的思考の上司から学んだ姿勢の一つです。

逆に言えば、管理職になりたいならば陽的思考が要件になります。

「相応の給料をもらってないので、そこまでする必要ない。管理職になって給料が増えてからやる。」と考えている人は、管理職になるのが遅れるでしょう。

会社としては、管理職の適正があると思える人から昇進させていくので、その片鱗を見せない人は後回しです。

Give&Take。先にGiveしないとTakeできません。

ブラック企業が蔓延しているせいか、最近の若手はこういう陰的思考をする人が多い気がするので、オッサンからアドバイスしておきます。

「ごめんよ、タスク管理。俺のせいで、今まで全力を出せなかったんだな。。」

わたしのタスク管理が最初の死を迎えた去年以前は、タスク状態管理・実行管理・実行資源管理の陰的アプローチだけを行ってきました。認知資源の節約、エネルギーをできるだけ使わない、不要だと思うことは切り捨てる等、収束の側面を持つ陰的テクニックは使えるだけ使いました。

▼1/3開放

そして去年、あまりの仕事量に頓死した後は、タスク発生管理で復活を果たしました。タスク管理界隈でよく言われる「タスク管理だけでは定時に帰れない。なぜなら仕事は無限に発生するから」問題です。それを仕事の発生源を断つという方法で、発生を管理したわけです。しかしこれもまた陰的アプローチ、押し寄せてくるものを拒絶する、受け身のアプローチです。

この時点でタスク管理は完成したと思っていましたが、今振り返るとタスク管理の陰と陽のうち、半分しか使えていなかった。

▼半開放

そして今やっと、陽的思考も腹落ちし、タスク管理のすべての力を開放できる準備が整いました。

▼全開放!!

わたしが自分を守りすぎたせいで、タスク管理の真価が発揮できていなかったのです。

サンキュー、ビッグブラザー

陰と陽の主張は矛盾します。

片方の思考をしていると、もう片方の思考は受け入れられません。上司が昔のわたしを受け入られなかったように。昔のわたしが上司の考えを受け入れられなかったように。

しかし同時に陰と陽、どちらも正しい。

ならば「陰か、陽か」の一重の思考ではなく、「陰も、陽も」の二重の思考で行けば良い。

(「何かを得るには何かを捨てなければならない」というのは、論理的、クローズドな陰的思考です。論理的、クローズドな陰的思考からは、イノベーティブな発想は生まれません。取捨選択の世界を生きていると、行き着く先は”悟り”という響きの良い名前のついた”諦め”でしょう。)

これは平たく言えば、「時と場合によって、陰と陽を使い分けましょうね」という当たり前の話であり、言葉にしてしまったら全然刺さらないでしょう。

物語の主人公にもなれません。「陰的(もしくは陽的)思考を貫いて、勝利を手にする」という一点突破のカタルシスがないからです。

でもそれこそが頭を使っているということ。どんな状況でも一つの指針に頼るのは、頭を使っておらず、それこそ非現実的な予定調和を期待する物語的発想ではないでしょうか?

しかし現実は物語よりも複雑であり、予想もしないことが起こる。

一点突破は強いが脆い。予想外のことが起こると昔のわたしのように折れて、頓死する。

矛盾する性質を、場合によって最善で使い分ける自己鍛錬をし、過去と現実をコントロールするのが、この幸福の基準が複雑化したディストピアで生き残るにはベストのやり方ではないかと、32歳になって思うのです。

精神的成長=パラダイムシフト

「イド♂は変わってしまった。。」とお嘆きの人もいるかも知れません。

実際、変わりました。

「何歳になっても精神は昔のままだよね。」なんて会話がありますが、3年前のわたしと今のわたしの精神は別物です。成長したと感じます。

この成長実感は、意図的ではないにしろ、合わないから環境を変える選択肢ではなく、合わない環境に留まり自分を変えた結果と考えています。

そんなことから、精神的成長=パラダイムシフトではないかと思うのです。

だからこれから、陰と陽を行き来すればするほど精神的に成長できるのではないかと期待に胸が膨らみます。

ありのまま論

ありのままは、自分を一つの軸に固定し、それを貫くという話ではないと思います。

自分の軸をパラダイムシフトさせ、変えたわたしは今、幸せだし、変わった自分軸をありのまま出せていれば、少しも寒くありません。

アナ雪のレリゴーの歌詞にもこうあります。

悩んでたことが うそみたいね
だってもう自由よ なんでもできる
どこまでやれるか
自分を試したいの
そうよ変わるのよ わたし

自分を曲げず、「わたし、こういう人間なんで」と開き直ることでは、自由は得られません。むしろその開き直りを肯定するために、より保守的に、頑固になり、悩み、できることを自ら制限していく方向になります。収束の陰の思考だからです。

なんでもできるようになるには、変化を恐れないこと。

そう、レリゴーの本質は、自分を自由自在に変化させる事、空の思想なのです。

「わたし、プリンセスになるの」とレリゴーを頻繁に口ずさむ2歳の我が娘にもよく言って聞かせたい。

サラリーマン役者説と仕事ができる人の特徴

専門職の反意語としての総合職かつ管理職としては、自分を変えられるか否かが重要であると思います。

サラリーマンとは、管理対象に合わせて演じる役柄を変える役者なのです。

役を演じることができない人は総合職かつ管理職には向いていない。人を動かすことが必要な管理職では、意識の矢印が内側=自分側に向いてる、収束する陰的思考だけでは通用しない。意識の矢印が外側=他者に向き、拡散する陽的思考が必要です。

すべてを自分に合わせていたら、人が付いてこない。

今までは、自分がラクになるように動き、演じること自体、「これは自分がしたいことではない」と拒んでいました。小手先だけで舞台を切り抜けて、「なかなかやるやん」と、それで切り抜けられる自分に浸っていました。

それが、小手先だけではどうにもならなくなり、二重思考をし始めた結果、役を演じること自体が楽しくなってきました。

しかしわたしが観察する限り、仕事が本当にできる人は、役に完全に入り込んでいます。たとえば、この記事の冒頭文をパロらせてもらったベック兄さん(@beck1240)の下記記事を読むと、ベック兄さんは仕事で涙することがあるそうです。

これは完全に仕事での役と自分が同一化している現れです。同一化していると、感情の力、喜怒哀楽を仕事で使えるようになり、それが人を動かしたり、自分を動かしたりします。

自分はタスク管理がうまく行かなくて吐き気を催すことはあっても、涙することはありませんし、仕事でそこまで感極まることはありません。ここが今後のわたしの課題です。コミットをもっと深くし、完全に役に入り込む憑依型の役者を目指します。目指すはサラリーマン of サラリーマンズです。

人に自分のやり方を強要はしない

陽的タスク発生管理は、能動的な思考(自分軸)コントロールなので、ここまで来ると誰もが簡単に使える技術ではありません。

技術であることに違いはないと思っていますが、前提として自分で自分のマインドを、陰の人は陽に、陽の人は陰に、持って行く必要があり、そのハードルは低くないからです。

(手段としては、自力はもちろん、コーチング、カウンセリングが有効だと考えています。自分の理外の理に気付くには、他者の理に触れるのが一番でしょう。)

だから昔は自分のタスク管理の方法は正しいと思い、より多くの人に広めようとも思っていましたが、そういう気持ちは一旦落ち着いています。

「求めよ、さらば与えられん」ではないですが、自分が広めなくても欲する人は欲する物を自分で手に入れると思いますし。(これ自体が能動的な陽的思考に振れていますね。)

それに誰でも簡単に使える技術は、ひばち氏(@Evaccaneer)が発信しているので、わたしが同じ領域の話をする必要もありません。

逆にひばち氏がタスク管理の裾野を広げる活動をしているおかげで、わたしは安心して持論を練り、それを仕事で実践することができます。

突き詰めれば突き詰めるほど、適用できる人の範囲が狭くなっていることを自覚しつつも、来年もタスク管理を突き詰めて行きたいと思います。

来年は仕事に全力投球するので、今年と同じくブログやSNSでの活動は控えます。

ということでしばらくは、イド♂の記事を読めるのは再開したアシタノレシピとイド♂のFacebookグループだけ!になりますので、2つともよろしくお願いします。グループに参加したい方はお気軽にFacebookからTwitterのDMでお声がけ下さい。

▼再開したアシタノレシピ一発目の記事。Facebookグループの詳細も書いてます

最後に

まぁ色々書きましたが、結局のところ、人生、百人百様。

どの道を選んだかが重要ではなく、自分が選んだ道を正解にできるかが重要です。

そうすればすべての道が正解となるので、みんなハッピー。

そういう社会になればいいなと願ってやみません。

もちろん、正解にするための相棒はタスク管理で。

それでは、来年はイタリア駐在なので、TaskFreaks!! Quattro!!でお会いしましょう!チャオ!

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