idle072_あなたはまだイヤホンで音楽を聴いているのか?|続-ヘッドホンを強くおすすめする2つの理由

20140825_ヘッドホン
前回はイヤホンよりヘッドホンの方が音質が良いことについて書きましたが、今回は以下のヘッドホンをおすすめする理由の2つ目について書きます。

  1. イヤホンよりヘッドホンの振動板(以下ドライバ)の方が大きく、ドライバが大きい方が音質が良いから
  2. 構造上、イヤホンよりヘッドホンの方が音場・音の定位を表現しやすいから
スポンサーリンク
レクタングル大

記事の要約

イヤホンよりヘッドホンの方が音場・音の定位を表現しやすい

音場と音の定位におけるヘッドホンの優位性ついての(あくまでも)持論です。

音場および音の定位とは何か?

「音場?音の定位?なんじゃそりゃ?」という方に、素人なりにそれぞれを図にしてみました。

ヘッドホン・イヤホンで音楽を聴くと、基本的には頭の中で音が鳴っているように聞こえます。

これから出てくる図は、その頭の中の音の状態を表しています。

音場とは音が鳴っている空間の広さ

▼赤い丸の広さが音場です。(上にある△が鼻、長丸2つが目。)

20140826_音場

広さは横方向だけではなく、縦方向にも広がり、空間として表現されます。

音場が広ければ広いほど、その曲を演奏している会場に自分がいる様で、臨場感が増します

音の定位とはそれぞれの音の位置関係

▼赤丸の位置関係が音の定位です。

20140826_音の定位

便宜上、それぞれの楽器に丸をしましたが、優れたヘッドホンであればドラムセットの各楽器の位置も把握できます。たとえばバスドラムが低い位置から聞こえ、スネアドラムはそれよりも高い位置から聞こえます。(ホントです)

打ち込み系の曲であれば、それぞれの音が立体的に組み込まれていることがわかり、音に囲まれている様な感覚が得られ、聴いていて楽しいです。

それぞれの音の位置関係(音の定位)が離れれば離れるほど、音場が広いという事になりますので、音場と音の定位は相互に関係し合います。

イヤホンよりヘッドホンの方が音場・音の定位を表現しやすいのは何故か?

以上のことを踏まえて、イヤホンよりヘッドホンの方が音場・音の定位の表現において有利であることを以下の2つの事実から説明します。

  1. イヤホンよりヘッドホンの方が振動板と鼓膜との距離が遠い
  2. イヤホンと違い、ヘッドホンは外耳(がいじ)を通して音を鼓膜に届ける



▼その前にウォークマンNW-F887付属のイヤホンの音場・音の定位のイメージを図にしました。

20140826_音場_イヤホン

頭の中心に音が集まっている上に、音が重なっていて、聞き分けが出来ません。

前後方向の奥行きはボーカル・ギター・ベースが一直線で、かろうじてボーカルとドラムに前後差があるかという感じです。

高さ方向はほとんど無いに等しいです。

ハイエンドイヤホンであればここまではひどくありませんが、どうしてもイヤホンの音場・音の定位はヘッドホンに負けます。

振動板と鼓膜との距離

さて、説明に戻ります。

音の定位を作る方法として以下の2つがあります。

音量差 距離による音量の減衰や両耳間強度差により音源の音像定位を再現するもの。

時間差 音波が到達する時間差により音源の音像定位を再現するもの。両耳間時間差、ハース効果(先行音効果)など。
立体音響 Wikipedia

次にイヤホンとヘッドホンの音の出方についての図をご覧下さい。

▼イヤホンから出力された音の方向と広さ

20140826_イヤホン音方向

▼ヘッドホンから出力された音の方向と広さ

20140826_ヘッドホン音方向

ご覧の通り、イヤホンよりもヘッドホンの方が振動板から鼓膜までの距離が長いです。

イヤホンよりも音源から音を捉える鼓膜までの距離が長いヘッドホンの方が音量差も時間差も作りだしやすく、それぞれの音を離して配置することが容易=音場表現に有利というのが1つ目の理由です。

音が外耳を通るか否か

2つ目の理由は外耳(がいじ)が関係します。

外耳とは文字通り身体の外に出ている耳の部分、普段わたしたちが耳と呼んでいる部分です。

人は外耳により音を集めて、内耳の鼓膜に音を届けます。

その外耳により、音が来る方向を聞き分けているというのが以下の説です。

つまり、音源から発せられて、人間の鼓膜に到達するまでに、音は人間の頭部や外耳によって音は歪まされているという事。音が到来する方向によってこの歪み方が異なり、人間その違いによって音が到来する方向を脳内で判断しているというわけだ。
立体音響の世界 SLN:blog*

さて、ヘッドホンの中でも、音場表現豊かなものはイヤーパッドが耳を覆う形をしており(オーバーイヤー型)、前出の模式図のように外耳を通して音を届ける構造になっています。

内耳の鼓膜にダイレクトで音を送るイヤホンよりも、外耳を通して音を届けるオーバーイヤー型ヘッドホンの方が立体表現をしやすいというのが2つ目の理由です。

また、自然な音の聞き方に近いオーバーイヤー型ヘッドホンの方が、イヤホンや耳の上にイヤーパッドが来るオンイヤー型より、臨場感が高いのは必然なのかも知れません。

無論、オンイヤー型でも外耳の中にドライバを入れるイヤホンよりは振動板と鼓膜との距離が遠いので、1の理由より音場表現の点で有利であることは変わりありません。


以上2つの理由により、イヤホンよりヘッドホンの方が音場・音の定位の表現において有利なのです!!

と、わざわざ理屈をこねくり回さなくても、一度ヘッドホンで音楽を聴けばイヤホンとは一線を画す音場の広さをご体験頂けるでしょう。

最後に音質について

音質というのは人それぞれ定義があると思います。

私の定義は「ノリよく音楽を楽しめること」です。

よって、再現性や繊細な表現を重視したBA型イヤホンよりも、音圧が高くノリがよく聞こえ、音場が広い分音楽が楽しく聞こえるヘッドホンの方が「音質が良い」としました。

総括 : あえてイヤホンを選んでいる方以外は一度ヘッドホンへの乗り換えのご検討を

2回に分けて、「ヘッドホンの方がいい!」と主張し続けてきましたが、もちろんイヤホンの良い点もあります。

携帯性が高い、髪型が崩れない、夏場に耳周りに汗をかかない等です。

しかし、音質を考えるなら絶対にヘッドホンの方がいい

あなたがもしオーディオプレーヤー付属のイヤホンで音楽を聴いているなら、手持ちの音楽の50%程度しか楽しめていません。

これはフェラーリで60km/hしか出していないようなもの。

非常にもったいない。

あなたの好きなアーティストの歌声、ストリングスの音色、ドラムのアタック感、テクノの世界観、よりリアルに感じたくはありませんか?

それならば、ぜひヘッドホンへの乗り換えて、100km/h、150km/hを出して音楽を楽しみましょう!

良いヘッドホンに出会えれば、聞き飽きた曲の中から新しい音や表現を発見できます。

好きな曲は更に好きになり、そうでもない曲も意外と良いことに気付きます。

持っている音楽全てをもう一度新鮮な気持ちで楽しめる。言い換えれば、手持ちの音楽資産全てを再活用できるのです。

これから、3年間ヘッドホン沼にはまり、起きている時間=ヘッドホンをしている時間のわたしがおすすめするヘッドホンの記事を挙げていきますので、それらがあなたのヘッドホン選びの助けになればと思います。



■怠惰な人に役立つまとめ■
新しいヘッドホンを買ったら持っている曲を全部聴き直すのが楽しい




以上!アイドリングタイムのイド♂(@idomars)でした。


ありがとうございました!




~~編集後記~~

とんでも理論を展開しました。

しかし文中にもありますように、理論はともかく、実際にヘッドホンで音楽を聞けばイヤホンとの差はわかります。

わたしは基本的に常にヘッドホンをしてますので、どこかで会った際には喜んでお貸しします。

スポンサーリンク
レクタングル大

役に立つと思われたらシェアをお願いします。
また、何かご質問があれば、Twitterで喜んでお答えします♪

定期購読いただくと、わたしのやる気が100倍になります!

スポンサーリンク
レクタングル大